エアコンの暖房機能は、特に冬の寒い時期に快適な生活を送る上で重要です。そんな中、多くの方に愛用されているのが「コデンシーエアコン」です。コデンシーエアコンは製品の質が高いだけでなく、省エネ性にも優れています。しかし、コデンシーエアコンの暖房が作動しなくなるというトラブルに見舞われる方も少なくありません。これは生活に支障をきたす厄介な問題です。以下では、コデンシーエアコンの暖房が作動しない原因についてご説明しますので、参考にしていただければ幸いです。

コデンシーエアコン暖房不作動原因紹介

コデンシーエアコンをある程度使用すると、フィルターに埃が溜まったり、室内機・室外機の通気口が異物で詰まったりすることがあります。埃の蓄積による空気循環の阻害や、詰まりによる風量の減少は、暖まった空気を適切に放出できなくなり、暖房が効かなくなる原因となります。これは故障ではなく、エアコンのメンテナンス不足による問題です。定期的にコデンシーエアコンのフィルターの清掃を行うことで正常に動作するようになります。また、コデンシーエアコンの暖房時は「暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ」という性質から、エアコンの風向を下向きにすることで暖房効率を高めることができます。設定を誤ると、室内に暖気が行き渡らず、体感温度が低くなります。

冷媒系統の漏れによる熱サイクル時の冷媒不足は、熱交換効率の低下を引き起こし、コデンシーエアコンの暖房不良につながります。この種の故障が発生すると、暖房能力と冷房能力が低下します。このとき、圧力ゲージを接続して系統圧力を測定すると、通常時より著しく低いことがわかります。次に配管の点検を行い、深刻な漏れ箇所には明らかな油汚れが見られ、軽微な漏れ箇所の場合は電子漏洩検知機による検知が必要になります。

ヒートポンプ式のコデンシーエアコンは、4ウェイバルブによって冷房と暖房の切り替えを行っています。4ウェイバルブの通路が交差すると、熱交換に関わるべき冷媒の一部がコンプレッサーの吐出管から直接還流管へ流れ込んでしまい、熱交換に関わる冷媒が減少するため、熱交換効率が低下して暖房不良が発生します。外部からの症状としては、高圧・低圧の圧力が不安定になることや、（4ウェイバルブに接続される2本の温管2本の冷管を確認したときの）管の冷暖の不均衡があります。また、冷媒漏れや冷房と同様の暖房不良症状が出るケースもありますが、検査により高圧側の圧力が正常であることで識別できます。

国内販売されているコデンシーエアコンの大半は冷暖両用ですが、暖房機能は本来エアコンの得意分野ではありません。暖房時に環境温度が低いとエアコンのエネルギー効率が低下し、冬場の暖房効果が低くなるのは正常な現象です。自動霜取り機能がないヒートポンプエアコンの場合、最低環境温度が摂氏5度以上で、それ以下になると暖房が効かなくなったり、効果が悪くなったりします。これは、室外機の熱交換器に付いた霜が空気の流れを塞ぎ、外気から熱を吸収できなくなるからです。自動霜取り機能付きのヒートポンプエアコンの場合、最低環境温度が摂氏マイナス5度で、それ以下になると暖房を効かせることができません。